叔母の希望 -- 独り暮らしの叔母が急逝 (4)
(前の記事からの続き)
一筆箋は、
「死は自然なもの、 逆さ事ではありません。」
に始まって、 棺の遺体に掛けてほしい 着物の場所が書かれ、
遺影にする写真も入っていました。
さらに、
「祭壇はいりません。 花で飾ってください。」
「位牌もいりません。」
などということが記されています。
ついさっき、 葬儀社に 葬儀の段取りを全て頼み、
見積もりも出してしまったところです。
急いで 葬儀社とお寺に電話し、 祭壇, 位牌, 遺影のことなどを伝えました。
ご住職とも会って 話し合った結果、
幸いなことに、 叔母の希望は ほぼ叶えられました。
遺影もサービスで 作り直してくれるといいます。
ただ、 お寺で葬儀をすることになっており、
祭壇に祭られた 御本尊を外すことはできないということです。
予定では 御本尊に輿 (こし) という 屋根のような形の、
いかにも “祭壇” という感じのものが 付くことになっていました。
住職の計らいで、 輿の代わりに 屏風のようなもので
御本尊を囲むことにしてもらえました。
位牌と戒名も作らず、 葬儀のときは 白木の位牌に 俗名を書いてもらえると。
30年前に他界した 夫 (僕の叔父) の位牌はあるのですが、
叔母は自分が亡くなると 位牌を守る人がいなくなるので、
残る人の負担を 配慮してことだったようです。
この一筆箋の発見が もう少し遅れていたら、 葬儀に間に合わなかったでしょう。
叔母の意に沿わない お見送りにならずに済み、 本当に僥倖なことでした。
しっかりと準備や心構えを 整えていた叔母も、 安堵していることでしょう。
(次の記事に続く)