境界に生きた心子

BPDの心子との波瀾万丈の日々をつづった「境界に生きた心子」。甘い蜜月と凄まじい修羅場、壮烈ながらもピュアでひたむきなラブストーリーです。愛を求めて力の限り生き抜いた、千変万化の僕の彼女を紹介します。

境界に生きた心子の新着ブログ記事

  • 心子との付き合い方(2)

       巻き込まれないようにということが分かっているはずなのに、僕はすっかり彼女の言い草に乗せられていました。  詰問に答えなければと焦ってしまいました。  しかし、心子は実際に具体的な答が聞きたくて言っているのではありません。  もし別のどんな返答をしても、彼女は満足しなかったでしょう。  心子は... 続きをみる

  • 心子との付き合い方(1)

       心子と向き合うときに重要なのは、彼女の発言や行ないに「巻き込まれないように」極力努めることでした。  彼女の言うことを真に受けて困惑したり怒ったり、巻き込まれてしまうと共倒れになり、それでは元も子もありません。  例えばあるとき、心子は生きる望みを失い、悲憤に駆られて僕に詰め寄ってきました。... 続きをみる

  • 境界性人格障害の心理

       ボーダーの人は人格の「核」が育まれなかったため、苦しみや悲しみに向かい合うことが非常に難しいのです。  葛藤を冷静に見つめたり、自分を省みる自我の力が弱いと言えます。  心子にとって自分の言動を否認されることは、生存そのものが消滅してしまうくらい恐ろしいことでした。  彼女の過激な反応は、そ... 続きをみる

  • ボーダーレス時代の象徴

       ボーダーの人は、本来発達するべき人格が育ちませんでした。  安定した自己がなく、衝動を自制できないのが中心的な症状であるとも言われます。  そのため自分の願望通りにいかないと、感情をコントロールできなくなってしまいます。  キレる若者たちのことが言われて久しいですが、子供に適切な愛情を与えら... 続きをみる

  • 心子と両親

       母親はそんな心子を、放っておいても大丈夫な子だと思いました。  その代わり、一才年上の兄には何かと世話を焼いたそうです。  心子の目にはひいきに見えたことでしょう。  逆に父親は、跡継ぎとしての兄の才覚に見切りを付けていました。  父親は兄には手ひどい暴力を振るいました。  顔面を殴り、鼻血... 続きをみる

  • 心子と父親

      心子と父親は、並の父娘の結びつきではありませんでした。  恋愛感情と言っていいものでつながり合っていました。  心子は父親を異性として深く愛していました。  幼い心子にとって、父親は完全無欠な男性の理想像になり、長じて心子が理想の男性を希求する原型になったのかもしれません。  父親は遺伝的な心... 続きをみる

  • 心子と母親

      心子は母親とも父親とも親子らしい愛情を育めませんでした。  病気知らずだった母親は、幼いときから体の弱かった心子の痛みをくむことができず、心子は無神経な母親のせいで傷を負ってはうっぷんをぶつけました。  母親とは人生観も感性も全く異にし、もめ事が絶えなかったといいます。  心子は愛情をもらえな... 続きをみる

  • 心子の愛情飢餓

       普通子供は、乳児期に親から全面的に抱かれ、何の心配もなく育っていくことができます。  子供は両親から無条件で愛護されることによって、自分は大切にされているんだ,この世に生きていていいんだという、人間として生きる基本的な精神が無意識に養われていくわけです。  ところがこの時期に相応の愛情が与え... 続きをみる

  • 心子の境界性人格障害の基

      ボーダーの原因は色々なことが考えられていますが、主に幼いとき親から適切な愛情が注がれなかったことだとされます。  アメリカでの境界例の原因は児童虐待が多く、日本では過保護が多いと言われます。  心子は出産時に足に障害を受けたため(成長してからは支障はありませんでした)、親は心子を抱き上げないよ... 続きをみる

  • 心子と境界性人格障害診断基準

       『過剰な理想化と過小評価との両極端を揺れ動く』というのは、まさしく僕が一番振り回されたものです。  心子は自分自身に対しても、並外れた夢や気概と、無力感や絶望との両極を行き戻りする、『不安定な自己像』を擁していました。  『目まぐるしい気分の変動,不安定な感情』『不適切で激しい怒り。それを制... 続きをみる

  • 境界性人格障害の診断基準

       僕は何冊かの本を読み、インターネットでも調べました。  境界性人格障害の特徴は、感情や対人関係,自己像(自分のイメージ)の不安定さだといいます。  特に衝動,怒り,愛情飢餓が強いとありました。  アメリカ精神医学会の精神科診断基準「DSM-Ⅳ」(1994年)を要約してみます。 (BPD関係の... 続きをみる

  • 友人の臨床心理士の一言

       心子が境界性人格障害だと分かったのは、実は臨床心理士の友人に相談したときでした。  心子と恋人として付き合いはじめてしばらくした頃、トラブルが重なって心子にどう接したらいいのか困惑し、僕はその友人に電話をしました。  心子のことを話すと彼女は言いました。 「その人、ボーダー入ってるんじゃない... 続きをみる

  • 身障者用のエレベーターボタン

       エレベーターで身障者用のボタンを押すと、車椅子の方などが利用しやすいようにドアの空き時間が長くなるのは、今は皆さん知っているでしょう。  バイト先のビルのエレベーターには、何とこんな注意書きが貼られています。 「一般の方は絶対に身障者用ボタンを押さないでください。  全エレベーターの効率的運... 続きをみる

  • 小早川伸木の恋

       フジテレビで木曜夜10時から、ドラマ「小早川伸木の恋」(原作・柴門ふみ)を放送しています。  主人公・小早川伸木(唐沢寿明)の妻・妙子(片瀬那奈)は、作品の中ではそうは言っていないのですが、境界性人格障害〔*注:〕であるように思われます。 〔*注:↓TBの記事をクリックしてください... 続きをみる

  • のえる

       友達が飼っている“変猫”、「のえる」の話です。  下のトラックバックの記事をクリックすると、のえるの写真が見られます。  のえるが部屋に入ろうとするときに、意地悪をして入れないようふすまを半分閉めると、いつもこんな顔をするそうです。  毎朝、風呂のふたの上で寝そべって... 続きをみる

  • コミックの「貸与権」

       昨日の記事に、拙著「生死命(いのち)」(小学館)のことを書きました。(カテゴリー「関連本の紹介」)  その単行本について、過日小学館から「貸与権の管理委託に関する契約書」というものが届きました。  昨年著作権法が改正され、レンタルブック店でコミックが貸し出された場合、著者にも使用料が払われる... 続きをみる

  • 「生死命(いのち)」

       昨日の記事「病院で死ぬということ」(書庫「映画」)に書いた、拙著「生死命(いのち)」を紹介させていただきます。  10年ほど前、小学館ビッグコミックに連載されたマンガで、僕は原作のシナリオを書きました。  ホスピスケアをテーマとし、主人公・市丸大(いちまるだい)の成長記でもあります。  タイ... 続きをみる

  • 「病院で死ぬということ」

       昨日の記事「あおげば尊し」(書庫「映画」)の中に書いた「病院で死ぬということ」は、個人的にとてもゆかりの深い作品です。  原作の「病院で死ぬということ」(主婦の友社)は、日本にホスピスを広めるさきがけとなった本で、1991年の日本エッセイスト・クラブ賞も受賞しています。  著者の山崎文郎先生... 続きをみる

  • 「あおげば尊し」

       昨日映画の日、「あおげば尊し」を観ました。  テリー伊藤が主人公の教師・光一役をすることで話題になっています。  光一の父親は厳格な元教師(加藤武)でしたが、がんで末期を迎え、最後のひとときを光一たちが自宅で介護することになります。  監督は、10数年前「病院で死ぬということ」でホスピスケア... 続きをみる

  • 「境界に生きた心子」の裏話

       「境界に生きた心子」は初め、心理関係のドキュメントとして小さな出版になる予定でした。  新風舎の人たちも当初は、「境界性人格障害」というものを知らないような時期でした。  ところが編集の段階で、境界性人格障害のテーマが再評価され、企画が拡大されることになりました。  特に営業の人が、ボーダー... 続きをみる

  • ユングの連想実験(3)

       ユング心理学は一般に理解しにくかったり、証明できないものが多いと言われますが、この連想実験は珍しく反応時間の数字として実証できるものです。  再生実験でも、反応の乱れがあった単語では答が違っていたとか、客観的な形で示すことができます。  しかしこの連想実験は、安易に友達などにやってはいけない... 続きをみる

  • ユングの連想実験(2)

       反応の乱れが起こるのは、その単語に対して被験者が何か特別な感情(それも抑圧された否定的な感情)を抱いているからではないか?   その感情を刺激されるために反応が乱される、そうユングは考えたのです。  例えば「父親」という単語を示されたとき、父親を憎いと思っている人だと、混乱して何と答えていい... 続きをみる

  • ユングの連想実験(1)

       僕は「ユング心理学研究会」という所に参加しています。  日本に初めてユングを紹介した林道義先生の流れを汲むものです。  林先生は、数年前ベストセラーとなった「父性の復権」の著者でもあります。  「ユング心理学研究会」では今年の前半、「ユングと臨床」というテーマで毎月セミナーを行ないますが、4... 続きをみる

  • 「風と共に去りぬ」

       友達と「風と共に去りぬ」(デジタル・ニューマスター版)を観てきました。  66年の歳月を経た現在観ても、印象的なシーンの数々、絢爛(けんらん)たる名作に変わりはありません。  さすがに映画技術として古く感じてしまう部分があったとはいえ、全体的にはやはり壮大な人間ドラマです。  今回が4回目の... 続きをみる

  • 「スタンドアップ」

       昨日の「博士の愛した数式」に引き続き、またまた上映後客席から拍手が起こった映画です。  久々に骨太の感動を味わいました。  炭鉱で働く女性ジョーシー。  彼女らに対する性的迫害や偏見などと闘う主人公を、シャーリーズ=セロンが熱演します。  前作「モンスター」で、女性連続殺人犯という難役に、美... 続きをみる

  • 「博士の愛した数式」(2)

       博士が杏子とルートに語る、美しい数字の世界の話です。  友愛数,完全数など、僕たちが学校では習わなかった、とても興味深い性質の数字を教えられました。  杏子の誕生日2月20日の「220」と〔*注〕、博士の記念の時計の番号「284」。 〔*注:ちなみに、心子の誕生日は1日違いの2月21日です。... 続きをみる

  • 「博士の愛した数式」(1)

       原作は小川洋子「博士の愛した数式」(新潮社)  交通事故で頭を怪我し、それ以後のことを覚えられなくなってしまった数学の博士。  事故以前のことは全て覚えていますが、新しいでき事に対する記憶は80分間しかもちません。  博士の人生の記憶は事故の時点で止まり、それ以降に体験したことは、80分経つ... 続きをみる

  • 「ジャーヘッド」

       1月17日、心子の祥月命日は、15年前に湾岸戦争が始まった日でもあります。  今年のこの日、湾岸戦争を描いた映画「ジャーヘッド」の試写会が開かれました。  湾岸戦争に実際に出兵した一海兵隊員が、戦場での実体験を記したノンフィクションを原作にした映画です。  一兵卒の目線から描く、今までにない... 続きをみる

  • ストーブとクーラーの想い出

       夏はクーラーを、冬はストーブを、なるべく使わないようにしているσ(^^;)です。  光熱費の節約にもなりますが、できるだけ人工の力を借りないほうが、体の抵抗力や自然な体温調節の力が付きます。  お陰で近ごろ風邪をひいていません。  以前は冬もコタツだけで頑張ったりしていました。 ... 続きをみる

  • 高橋尚子の言葉

       女子マラソンの高橋尚子が怪我で走れなかった時、高校の恩師の先生が教えてくれたという言葉があります。 『何も咲かない寒い日は、下へ下へと根をのばせ。やがて大きな花が咲く』  誰の人生でも沈み込むことがあります。  でもそういう時こそ大事であり、きっとまた花を咲かせることを信じたいと思います。 ... 続きをみる

  • あとがき(3)

       苦しみのない人生は、人生の名に値しない。  涙のない人生は、生きるに値しない。  笑顔がなくては生きていけない。  心子はそれらを一心に刻み込んでいったのである。  心子は、小さいけれども、深く重い足あとを、くっきりと、いくつも残していった。  この足あとを誓って消すことなく、いかにたどって... 続きをみる

  • あとがき(2)

       心子をはじめ、表面的には解しにくい境界例の人の内面を思いなしていただけるよう、境界例について解説の章を巻末に設けた。  しかし境界例全般に渡る説明は素人である僕の領分ではないので、必要限度内の記載に留めた。  境界例や人格障害を詳述した本は、一般向け,専門書とも多数出ている。  拙著を読まれ... 続きをみる

  • あとがき(1)

       二〇〇一年一月十七日、心子は逝った。  それから三年半余りの間、本稿に加筆を重ねてきた。  書くという作業が僕にとって、心の整理をすることに役立ってくれた。  そしてやっと少し、心子のことを客観的に描けるようになったのかもしれない。  当時はまだ、心子を充分に把握して包み込むことができていな... 続きをみる

  • 丸5年目の祥月命日

       今日1月17日は、世間的には色々なことがありましたね。  新聞のトップを飾ったライブドアショック、東京地検の強制捜査のメス。  連続幼女殺人事件・宮崎勤への最高裁死刑判決。 (彼にも人格障害という精神鑑定が出ましたが。)  耐震強度偽装事件のヒューザー小島社長の証人喚問。  そして日本人の脳... 続きをみる

  • 心子のお義姉さん

     心子のお母さんは現在、心子のお義姉さんと二人で暮らしています。  将来もずっと一緒に過ごしていくそうです。  お母さんはお義姉さんを我が子と思って可愛がり、お義姉さんもお母さんにとてもよくしてくれるということです。  お義姉さんは天涯孤独のため、お母さんは自分が亡くなったあともお義姉さんが今の家... 続きをみる

  • 逆縁

     心子のお母さんはわずか3年の間に、二人の我が子に続けて先立たれることになってしまいました。  ただでさえ、親が子を先に失う「逆縁」は、これ以上にない辛いことだといいます。  立て続けにそれを経験しなければならなかったお母さんの悲しみは、一体いかばかりのものだったろうかと、想像するに余りがあります... 続きをみる

  • 心子のお墓

     1月17日、心子の丸5年目の祥月命日が近づいてきました。  墓前の心子に会いに行くのを今から楽しみにしています。  本家から分かれた心子のお墓には、心子とお父さんとおじいさんが弔われています。  それからあと二人の人が一緒に眠っています。  心子のお兄さんと内妻であるお義姉さんは、心子のお母さん... 続きをみる

  • 「魂(こころ)の穴」(文芸社)

     「境界に生きた心子」の参考文献に挙げた、ご自身がボーダーである山口麗子さんが書かれた本です。  以前読売新聞の「医療ルネサンス」で、境界性人格障害の特集があったときに紹介されました。  幼いときの虐待や夫婦間の壮烈ないさかいなど、勇気を持って赤裸々に告白し、自分の姿をお子さんのために書き残してお... 続きをみる

  • 「青い扉」(新風舎)

     「境界に生きた心子」の企画担当のN氏が、別に受け持っていた人が書いた本で、N氏が僕に紹介してくれました。  著者・華子さんも境界性人格障害だそうです。  日記形式の独白や、内面の吐露がつづられています。 (具体的なエピソードの記述が少ないので、ボーダーのことを知らない読者だと分かりにくい所がある... 続きをみる

  • 「トランス・トランス・フォーエバー」(新風舎)

     「境界に生きた心子」を読んでくださった読者の方からお手紙をいただきました。  心子と同じ心の障害を抱えて亡くなられた女性のお母さんからです。  娘さんはわずか18歳で自らの人生の幕を引かれましたが、フィクションが自分を凌駕すると謳って小説を書いていました。  お母さんはその遺稿をまとめ、1冊の本... 続きをみる

  • Amazon のレビュー事件

     ネット書店Amazon に「境界に生きた心子」も掲載されており、読者によるレビューがあります。  実は拙著の出版後、明らかに同一人物によると思われる、低劣な誹謗中傷がいくつも書き込まれ続けていました。  これでは、せっかく拙著を読もうとAmazon にアクセスしてくれた人が、多数の酷評を見て買う... 続きをみる

  • 「ALWAYS 三丁目の夕日」

     昨年の日本アカデミー賞で、全部門優秀賞を受賞した話題作。  西岸良平「三丁目の夕日」を原作に、昭和33年の東京を舞台にした秀作です。  ハリウッド映画のような凝ったストーリー展開やスピーディーな演出もなく、極めてオーソドックスなドラマなのに、ぐんぐん作品に引き込まれたのは何故でしょう?   僕が... 続きをみる

  • 「キレ」防止に3歳までの愛情大切

     過日の新聞に、境界性人格障害の問題にも通じる記事が出ていました。  以下に引用します。 「3歳までの愛情 キレない子育成  文科省検討会が提言  『キレる子』にしないためには、乳幼児期の家族の愛情や生活リズムの定着が大切だとする提言を、文部科学省の『情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会... 続きをみる

  • 「子供の心の悩みと向き合う本」(KKベストセラーズ)

     書庫「女医さんのお話」の先生・森津純子さんが書かれた本です。  森津先生とは、ホスピスの勉強していたときに知り合いました。  これまた偶然ですが先生は、昨日書いた小澤先生のホスピスで非常勤もしていました。  現在、病める人たちの心の治療にあたっていますが、心の問題を抱える子供たちのカウンセリング... 続きをみる

  • 「苦しみの中でも幸せは見つかる」(扶桑社)

     昨日の記事に書いた、父の最期を看取ってくれたホスピス医長・小澤先生の著書です。  僕は上智大学内「生と死を考える会」で、小澤先生がまだ医学生だったときに知り合いました。  小澤先生は山形で田舎の先生を経たあと、僕の実家の隣駅のホスピスにやってきました。  ホスピス病棟で働く体験を通し、「命を限ら... 続きをみる

  • 父の最期

     元旦に母の最期のことを書きましたが、その3年後に母の後を追った父のことを書こうと思います。  父は心子が亡くなった年、その前年に手術した肺がんの転移が肝臓に見つかりました。  がんセンターで抗がん剤治療ののち、回復の見込みがなくなってから、ホスピスへ行くことにしました。  僕は以前ホスピスを舞台... 続きをみる

  • 「妻は多重人格者」〔追伸〕

     作者の花田深さんから、今日年賀状が届きました。  「妻は多重人格者」のドラマは、3月にフジテレビ金曜エンターテイメントで放送されるそうです。  シナリオの執筆が半年も遅れていたとか。  でも実現に至ってとても良かったと思います。  関心のある方は是非ご覧ください。

  • 「妻は多重人格者」(集英社)

     映画監督である花田深さんのドキュメントです。  著者の奥さんが知らない間に多大な借金をしまくり、やくざに追われて一家崩壊の危機にさらされてしまいます。  ところが、実は奥さんは多重人格(解離性同一性障害)で、別の人格が本人に復讐するために借金を重ねていたというのです。  奥さんが子供のときに受け... 続きをみる

  • 「多重人格…でも私はママ」

     本の紹介です。  「境界に生きた心子」の参考文献にも挙げたのですが、境界性人格障害で解離性同一性障害の女性と、そのご主人が書いたノンフィクションです。(ぶどう社)  子供の時から傷つく体験を重ねてきたにも拘らず、夫婦協力してボーダーをほぼ克服し、現在は新天地の石垣島で親子三人暮らしています。  ... 続きをみる

  • 元旦・母の命日

     新年、明けましておめでとうございます。  今年もどうぞ「境界に生きた心子」をよろしくお願い申し上げます。  先ほど、元実家から戻ってきました。  料理をたらふく食べ、近所の神社に初詣で拙著の広がりを祈ってきました。  実は、毎年元旦は僕の母親の命日です。  脳出血で3年間の入院の末、肺炎を併発し... 続きをみる

  • 大晦日

     1年最後の日になりました。  今日は元の実家(今は兄一家が相続)へ行き、正月を過ごします。  一人暮らしの叔母も一緒に集まるのが毎年の恒例になっています。  毎日書き込んできた記事もお休みです。  今年は初めてブログを開設して2ヶ月弱。  皆さん、ご覧いただいてどうもありがとうございました。  ... 続きをみる

  • サイコドラマ(4)

     そしてディレクターは一応の決着を見て、ドラマを終了します。  それで問題が解決すればめでたしですが、普通はある程度の段階まで主役の気持ちや思いが進展すればいいものです。  同じテーマで次回も引き続きドラマを進めることもよくあります。  ドラマ終了後、「シェアリング」と言って、主役を囲んで参加者た... 続きをみる

  • サイコドラマ(3)

       主役はリバースロールをして新たなことに気付いたら、今度はそれに対してどうするかなどを即興で演じたりします。  それらを繰り返してドラマを進めていくのです。  ディレクターはドラマの展開を見ながら、適切なところで新たな場面設定をして、テーマを深めていきます。  さらに現在や未来のシーンを作って... 続きをみる

  • サイコドラマ(2)

       まず、主人公のテーマを見つめるのに適切な場面設定をします。  そのテーマに関係する過去のでき事のシーンから始めたりします。  主人公と関わる人物の役を演じる人を、参加者の中から主人公が何人か選んでいきます。  それから実際にあった会話などを、ロールプレイで再現していきます。  言われたときど... 続きをみる

  • サイコドラマ(1)

       心子と僕が最初に出会ったのは、「サイコドラマ」という心理関係のワークショップでした。  心子がサイコドラマに参加したのは1回きりでしたが、その日の飲み会で盛り上がり、心子と二人で会う機会ができるようになりました。  さて、このサイコドラマというのはどういうものかというと、言葉で説明するのが非... 続きをみる

  • 「プライドと偏見」

     英国の女流作家ジェーン=オースティンの小説、「高慢と偏見」の映画化作品。  18世紀末、イギリス田舎町の上流社会における、男女の出会いと恋物語を格調高く描いた話です。  何といっても主役のキーラ=ナイトレイが魅力的でした。  エレガントで華麗、強い意思を持ちながら、笑うとやんちゃさを覗かせる。 ... 続きをみる

  • 「キング・コング」(2)

     また、前作ではコングはアンを初めから人形を愛でるように扱っていましたが、本作では最初は本当に食べるための生贄でした。  でも女優のアンがコングの前で奇妙な動きを演じたりするうちに、コングはアンに興味を持ちはじめるのです。  その辺りのコングの感情や表情の変化も、とてもよく表現されていたと思います... 続きをみる

  • 「キング・コング」(1)

     映画「キング・コング」を観てきました。  1933年のオリジナル版は、小さい頃テレビで部分的に見た覚えがあります。  30年前の第2作である前作はロードショーで観ました。  当時としてはやはり最先端の作品で、コンピューターでキング・コングの表情を制御しているということで話題になりました。  非常... 続きをみる

  • 健啖家? 過食嘔吐?(2)

     隣のテーブルの女性は、何度も席を立って料理を取ってきます。  僕も料理を取りにブュッフェ台へ行きました。  が、女性の姿が見えません。  すると、その女性がけろりとした顔をして、トイレから出てきたのです。  やはり、トイレで……。  考えてみれば女性が食べているのは、... 続きをみる

  • 健啖家? 過食嘔吐?(1)

     ランチバイキングが趣味のσ (^^;)です。  先日とあるレストランのランチバイキングに行ったときのこと。  隣のテーブルで一人の若い女性がバイキングを堪能していました。  帽子をかぶって綺麗な人でしたが、その食べっぷりが実に見事なのです。  皿一杯に1種類ずつの料理を盛ってきて、も... 続きをみる

  • 清水喜美子さんが「BPD★BBS」を

     書庫「心子、もろもろ」の記事「頑張る心子(2)」(12月19日)に、脚本家・清水さんがコメントを付けてくださいましたが、清水さんはBPDのBBSを開設されました。  下記がそのURLです。 http://otd10.jbbs.livedoor.jp/see_saw_bpd/bbs_tree  清... 続きをみる

  • 心子と教会

     脚本家・清水んは、自殺を自ら封印するためにクリスチャンになったとのことです。 http://see-saw.way-nifty.com/diary/2005/12/post_e221.html  心子もクリスチャンでした。  人の世に傷つき、純粋な信仰の世界に入りました。  限りのある人間の愛情... 続きをみる

  • 頑張る心子(2)

     そして心子は、そんな自分を抱き締めることができませんでした。  心身打ちひしがれて息も絶え絶えのときでも、心子は這うようにバイトに行こうとしました。  自分自身がコンディションを崩していても、知人から悩みの相談があるとカウンセリングの約束をしてしまいます。  我が身の苦境より相手の急場を放ってお... 続きをみる

  • 頑張る心子(1)

     脚本家の清水さんは、自分自身に対して、 「今まで、よく頑張って生きてきたね」  と声をかけることができたとき、自分の存在を認められたそうです。 http://see-saw.way-nifty.com/diary/2005/12/post_e221.html  心子は物事に向かうとき、常に頑張り... 続きをみる

  • 行き戻りする心子

     脚本家・清水さんは元のご主人と、このままでは二人とも不幸になると思われて、ご自分から家を出たそうです。 http://see-saw.way-nifty.com/diary/2005/12/post_e221.html  心子もトラブルがあると、自分が見捨てられるのではないかという恐れを無意識に... 続きをみる

  • 心子との接し方(2)

     他方、心子が旅立ったあと、本で読んだことがあります。  境界例の人の激しい感情を落ち着いて受け止めることは、境界例の人にとって、この世には何が起こっても動かない安定したものがあるということを教えることができる、と。  町沢静夫氏も、ボーダーの患者さんが非難してくるときには、ひたすら嵐が去るのを待... 続きをみる

  • 心子との接し方(1)

     脚本家・清水さんの元のご主人は、ボーダー的だったという清水さんがキレても、一歩引いて冷静に受け止めてくれたそうです。  でも清水さんにはそれが「無関心」「無視」されているように思えたとのこと。 http://see-saw.way-nifty.com/diary/2005/12/post_e22... 続きをみる

  • 愛情飢餓(3)

     『愛情飢餓』。  それが心子の人生を縁取る根源的な苦悩でした。  幼子が最も必要とするときに得られなかった親の愛情を、大人になってから死に物狂いで取り戻そうとする無意識の渇望です。  それはどこまでも続く茨のような道なのでした。  幼いときの親の愛情がいかに大切なものか、境界例の人はそれを私たち... 続きをみる

  • 愛情飢餓(2)

     普通子供は、乳児期に親から全面的に抱かれ、何の心配もなく育っていくことができます。  子供は両親から無条件で愛護されることによって、自分は大切にされているんだ,この世に生きていていいんだという、人間として生きる基本的な精神が無意識に養われていきます。  ところがこの時期に相応の愛情が与えられず、... 続きをみる

  • 愛情飢餓(1)

    <愛はどこにありますか? 誰が私を必要としていると言うのでしょう? 欲しいものは愛だけなのに。しんこ>  心子のメールです。  脚本家の清水喜美子さんも、これと同じセリフを30代半ばまで抱えていたそうです。  「愛が欲しい病」と清水さんは言います。 http://see-saw.way-nifty... 続きをみる

  • 脚本家・清水喜美子さんが「境界に生きた心子」を読まれて

     12月3日に書いた脚本家の清水喜美子さんが、「境界に生きた心子」を読んでご自分のブログに記事を書いてくださいました。 http://see-saw.way-nifty.com/diary/2005/12/post_6a74.html http://see-saw.way-nifty.com/di... 続きをみる

  • 「境界に生きた心子」HPのフラクタル画像

     出版元・新風舎の「境界に生きた心子」のHP(クリエーターズワールド)には、オープニングムービーやレビューのページなどに、フラクタル画像を使用しています。 http://www.creatorsworld.net/shinko/flash/  インターネットのWebページから借用したもので、作者の... 続きをみる

  • 「男たちの大和 YAMATO」(2)

     それにしても、昨日の映画で気になることがありました。  中村獅童がかけている眼帯の紐の位置が、カットが変わるごとにずれているのです。  いわゆる“つながり”が全くできていない。 (><)  しまいには、顔のアングルも構図も同じなのに、カットが変わると紐の位置だけがずれる。... 続きをみる

  • 「男たちの大和 YAMATO」(1)

     「男たちの大和」の試写会を観てきました。  当時の科学と軍事力の粋を集めて建造された超弩級の軍艦でありながら、ほとんど戦果を上げることなく、海のもくずと化した大和。  しかしそこから松本零士の「宇宙戦艦ヤマト」も生まれたように、何故か我々のロマンをかき立てます。  ちょうど先日、NHKの「そのと... 続きをみる

  • 境界例の人の「境界」(2)

     境界例の人と付き合うとき必要なのは、相手との「境界」をきちんと決めておくことだと言われます。  精神的にも物理的(距離,時間)にも、自分の尊厳や生活を侵されないボーダーラインの設定です  でも境界例の人はその「境界」を何よりも嫌悪し、死に物狂いでそれを突き崩そうとしてくるでしょう。  境界例の人... 続きをみる

  • 境界例の人の「境界」(1)

     カテゴリー「境界性人格障害」の「境界性人格障害の呼称(2)」(11月30日)に、境界例の人は相手との「境界」を設けることが難しいと書きました。  愛する者同士は互いの境界がなくなり、溶け合ったような気持ちになります。  愛情の最大の特徴は「境界がなくなること」だとも言えます。  心子も愛し合うと... 続きをみる

  • 神宮外苑--心子の引き合わせ? 

     書き忘れていましたが、心子との想い出の場所・神宮外苑は、「境界に生きた心子」の出版元・新風舎のすぐそばにあります。  縁あって新風舎から拙著を発刊することになったわけですが、もしかしたらこれも心子の引き合わせかも知れません。  執筆中、新風舎の編集部へしばしば行った際には、いつも外苑の銀杏並木を... 続きをみる

  • ボーダーの原因(2)

     書庫「境界性人格障害」の「ボーダーの原因」(11月21日)に補足します。  アメリカでは、ボーダーの原因は生物学的な素因が第一にあるということが言われています。  ボーダーの人の親が、子供の育て方に問題があったと責められたり、悩んでしまうことも多いために、それを緩和する意味もあります。  でも日... 続きをみる

  • 自閉症児のお父さん

     知り合いの人がご自分のブログで、「境界に生きた心子」の感想を書いてくれました。  以前パソコン通信で知り合ったシナリオライターの人で、自閉症のお子さんを持つお父さんです。  今はシナリオライターをやめ、自閉症児の施設「つくしんぼ」を運営して、ブログやホームページも開設しています。  下記が、拙著... 続きをみる

  • 脚本家・清水喜美子さんの自己愛性人格障害の話

     シナリオライターの清水喜美子さんが、「境界に生きた心子」を紹介してくれました。  清水さんとは、インターネット上のシナリオライターのグループ「プラネット・ラボ」の会員として知り合いました。  清水さん自身が自己愛性人格障害の人の取材をされており、拙著に関心を持ってくれました。  下記のページで紹... 続きをみる

  • 心子との想い出の銀杏並木(2)

     黄葉の頃を見計らって、再び神宮外苑の銀杏並木に行ってきました。  大体見頃でしたが、やはりまだ緑の葉の木も残っています。  一方ではほとんど葉が落ちてしまっている木も。  葉っぱは小さいし、やはり何かおかしいのでしょうか。  もみじの葉はこの数日で急速に赤くなっていました。  外苑の銀杏は4年ご... 続きをみる

  • 映画の日

     毎月ついたちは「映画の日」。  首都圏の映画館が一律1000円になります。  この日はいつも映画4本ほどハシゴしますσ (^^;)。  「映画の日」が始まったのはもう20年くらい前です。  最初は毎月1回ではなく確か年4回。  3の倍数の月の第1水曜日だったと思います。  当時は映画... 続きをみる

  • 境界性人格障害の呼称(2)

     最近はBPDと言う人も増えて、これがスマートなのかもしれません。  でも「境界/ボーダー」という言葉には、様々な象徴的な意味合いが含まれていると思います。  境界性人格障害は、精神病レベルと性格のレベルの「境界」の症状でもあります。  そして心子をはじめ境界例の人は、激しい感情の起伏によって、天... 続きをみる

  • 心子のお母さんとの再会(3)

     お母さんはこんな話も聞かせてくれました。  心子が旅立つ1年前の大晦日、お母さんは色々食べ物などを買い込んで彼女のマンションに行ったそうです。  ちょうど彼女も買い出しをして帰ってきたところで鉢合わせになりました。  彼女は、お母さんが連絡もせずに来たこと,自分が買い物をしてきたのに同じようなも... 続きをみる

  • 心子のお母さんとの再会(2)

     心子のお母さんと食事をしながら、彼女が亡くなった当日のお話が出ました。  飛び降りた彼女の持ち物を警察が調べ、手帳にあった実家の電話番号に連絡をしました。  しかしその直前に実家の番号が変更されていたため、何度かけても通じなかったということです。  やむなく警官が直接彼女の実家へ赴きました。  ... 続きをみる

  • 心子のお母さんとの再会(1)

     心子のお母さんとは、心子の葬儀の日に初めて会いました。  その後も2度ほど会い、色々な話を聞いたりしました。  心子から生前に聞いていた話と相反することなども伺い、それは「境界に生きた心子」の「心の真実」を書く際に反映されました。  本ができてからも再会しましたが、お母さんに拙著を読んでいただく... 続きをみる

  • 心子との想い出の銀杏並木

     神宮外苑の銀杏並木は、心子との想い出の場所です。  心子がこよなく好きな所で、銀杏が色づく季節に二人で行ったものです。  一度目に行ったときには、ちょうど火曜サスペンスの撮影をしていて、小林桂樹と長岡藍子が歩くシーンのバックに、心子と僕も点景で全国放送されました。 (^^;)  例年銀杏の紅葉は... 続きをみる

  • エピローグ(4)

     自分が死んでも皆すぐ忘れると言っていた心子。  生きてる意味なんかないと言っていた心子。 「あたしの存在なんて、そこにあるゴミよりもっとちっちゃい、こーんなちっちゃいもんだよ」  けれど心子は僕の中でこんなにも大きく、そして、永遠に生きている。  心の中の真実こそ、人にとって無上に貴重なものであ... 続きをみる

  • シネマ歌舞伎「野田版・鼠小僧」

     銀座シネスイッチで、シネマ歌舞伎「野田版・鼠小僧」というのを観てきました。  2003年に歌舞伎座で上演された、野田秀樹作・演出の歌舞伎「鼠小僧」を、デジタル撮影して映画館で上映するという、松竹110周年記念のイベントです。  歌舞伎の舞台の臨場感をスクリーンで再現するものです。  英語の字幕が... 続きをみる

  • エピローグ(3)

     心子が帰らぬ旅に出る半年前に、こんなメールを受信していたのを見つけた。  心子が僕にきついことを言ったあと、それを泣いて後悔し、謝ってくれて仲直りしたときのものだ。  <私のこと許してくれてありがとう。またすぐ逢えるといいなぁー。お互い一番大切な存在になりたいね>  <あなたと一緒にいて時々想い... 続きをみる

  • ボーダーの原因

     拙著には、ボーダーの主な原因は親の愛情の過不足による生育歴だと書きました。  日本では今もそう考える人が多いようですが、出版後あらたに分かったことがあります。  現在アメリカの最先端の研究では、まず先天的な(生物学的な)素因が第一にあり、それに環境的な要因が加わって起こると言われているそうです。... 続きをみる

  • エピローグ(2)

     人の人生はドラマである。  いかに笑い、いかに怒り、いかに泣き、苦しんだか、それがその人の終生の意義である。  長さはさしたることではない。  どんなドラマを演じ、残していったかが、人の生きた証だ。  人間の愛情,純粋さ,怒り,悲しみ,喜び--それらを心子は最も先鋭的に体現し、走り抜いていった。... 続きをみる

  • ボーダーの方の感じ方

     拙著「境界に生きた心子」はあくまで、ボーダーであった心子の恋人として、彼女の傍らにいる立場から描いたものです。  拙著を読まれて手紙やメールをくださったり、ブログに書き込んでくれている方々の中には、ボーダーの人のご家族やなど、「境界に生きた心子」を読んで助けられた,癒されたと言ってくださる人たち... 続きをみる

  • エピローグ(1)

     我々は誰しも皆、愛し、求め、苦しみ、人を傷つけながら生きていく。  心子はこの上もなくラジカルな姿で、その舞台を踏んでいった。  心子の生きざまは万人のものだ。  心子の問題は我々自身のものだ。  心子は我々を代表してその重みを担っていったのだろうか?   それらを抱えて、心子は力の限り生き抜い... 続きをみる

  • 「境界性人格障害」の呼称

     「境界例」という呼称は現在、専門的にはあまり使わなくなってきているようです。  「境界例」は統合失調症(精神分裂病)と神経症の「境界」の症例という意味でしたが、現在は「境界性人格障害」という正式な分類ができたので、「境界例」という曖昧な言い方は控えられるとのこと。  また、(僕はそういう意識は全... 続きをみる

  • 「境界に生きた心子」目次

      まえがき  プロローグ  六年越しの再々会  トライアングル---迷走の行方  愛の始まり---天国と地獄  境界性人格障害  万華鏡  苦しみ、いとおしく  心身の増悪(ぞうあく)  解離  分裂  子供の人格の出没  壊れて、笑って、そして……  自死  心の真... 続きをみる

  • プロローグ(3)

     その心子がときに豹変する。  一緒に映画を観終わって僕の部屋へ来るとき、心子は少し体の具合が悪くなった。地下鉄の駅を降りて僕は気遣った。 「タクシー乗る?」  その途端、心子はキレた。  僕を押しのけ、さっさと自分でタクシーを拾った。邪険にもむくれて一言も口をきかず、料金も自ら支払った。  心子... 続きをみる

  • 心子の月命日

     今日17日は心子の月命日でした。  毎月恒例のお墓参り、墓前の心子に会ってきました。  「境界に生きた心子」のブログを始めて、早速読者の人たちが付いてくれたことも伝えてきました。  心子と話すのが月々の楽しみになっています。  今の墓地はこじんまりした霊園ですが、元は別のお寺で祖父の代からのお墓... 続きをみる

  • プロローグ(2)

     一方で、心子は本当に人を笑わせてくれる。  思いっきり小節をきかせまくって「いなかっぺ大将」を唸る。  人さし指を横にして鼻の下をこするのが癖だ。わざとそうして僕に見せたりする。僕までその癖が移ってしまった。  また、何にでもニックネームを付ける。僕・稲本雅之(四十三歳)は「マー君」になった。手... 続きをみる

  • 「心子」という名前

     「境界に生きた心子」の「心子(しんこ)」は仮名(かめい)ですが、実は実在の名前です。  昔、ある老人ホームへ研修に行ったとき、同じく研修に来ていた介護学校の学生さんが「心子さん」といいました。  とてもきれいな人でしたが、あまりにもいい名前なので、いつか自分の作品の登場人物に使わせてもらいたいと... 続きをみる