境界に生きた心子

BPDの心子との波瀾万丈の日々をつづった「境界に生きた心子」。甘い蜜月と凄まじい修羅場、壮烈ながらもピュアでひたむきなラブストーリーです。愛を求めて力の限り生き抜いた、千変万化の僕の彼女を紹介します。

神宮外苑・新ラグビー場の公聴会、大波乱(4)

イナモト


(前の記事からの続き)



 課長は、公述人に発言の意思がないと見なし、次に進めようとしました。

 会場から怒号が起こります。

 公述人は発言を拒んではいない、次回の公聴会開催を求める、何故開かないのかその理由は?

 等々の意見が飛び交います。


 石川先生は、自分は法に触れることは何もしていない、公述したいとお願いしている、公聴会をもう一度開くと言えばいいだけ、次の開催を約束しないと帰れない、いつまででも待つと言われます。


 傍聴人の原田都議は、公聴会は説明会を打ち切るのとは訳が違う、行政処分に関わることで大変なことになると述べます。


 こんな公聴会はない、今歴史的瞬間にいるという声もありました。

 課長に対して、上司に相談すればいいと口々に言いますが、それにも課長は全然応えません。


 やがて7時半頃になって、課長は公述人が公述しないので公聴会を打ち切る旨を述べました。

 再び怒号が巻き起こる会場。


 石川先生は公述するという発言を違えるのは主催者として失格と言い、

 傍聴人の東工大・原科教授も、都が公述を拒否したことになると異議を唱え、

 原田都議は、建築基準法だけでなく行政手続法に違反すると指摘しました。


 課長は公述の意思がないと何度も口にし、石川先生はそのたび訂正します。

 常に穏やかな石川先生がついに憤慨し、課長に発言の撤回と謝罪を求めました。

 課長は認めざるを得ませんでした。


 何度かの膠着状態を経ながら、課長は一言も答えず、参加者は誰も納得せず、公聴会の再開を確認できなければ帰れません。

 傍聴人には高齢者も多く、90歳の方もいました。

 がんで退院したばかりという人も。

 皆帰りたいのに、体調を壊したら都の責任だという声も上がります。


 都としては、住民たちが自分から帰った(公聴会を終わらせた)という形にしたいのでしょう。

 そのうち、課長の上司たちはもう帰宅したという話も入ってきました。

 課長は捨て駒なんだ、かわいそうにという声も。


 そしてついに夜10時45分頃、職員たちは席を立ち、同席していた建設会社の社員たちも退室していきました。

 公聴会開始から9時間近くが過ぎていました。


 それでも会場の多くの人たちは立ち去りません。

 自ら退室したら公聴会が終了したと認めたことになると考え、決して部屋から出ないと腹を決めます。


(続く)

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