境界に生きた心子

BPDの心子との波瀾万丈の日々をつづった「境界に生きた心子」。甘い蜜月と凄まじい修羅場、壮烈ながらもピュアでひたむきなラブストーリーです。愛を求めて力の限り生き抜いた、千変万化の僕の彼女を紹介します。

神宮外苑・新ラグビー場の公聴会、大波乱(3)

イナモト


(前の記事からの続き)



 10数人目の公述人Yさんが自分の公述を終えたあと、公聴会の運営の問題を訴えました。

 そもそも告知や期限に無理があったのでYさんは前日に、法に則った手続きで公聴会の延期を要請しました。

 しかし東京都は理由も言わずにそれを拒否しました。


 公聴会当日も、半数の公述人が都合がつかず欠席だし、開催自体を知らない人も多い、公平に意見を述べるため再び公聴会を開くことを、Yさんは求めました。

 公述人の発言は、建築基準法に基づいて保証されなければならない、重要な権利なのです。


 けれども進行役の課長(公聴会主催者としての市街地建築部課長)は、次の公聴会開催に一切応じず、その理由も、告知期間が短かった理由も、一言も述べませんでした。

 課長はYさんに席に戻るよう何度も要求しましたが、Yさんは引き下がりませんでした。


 会場からもYさんと同意見の声が次々と上がります。

 元々外苑再開発は住民の意見を聞かず、説明もせず、一方的に進めてきたから今こういう事態になっているんだと。


 次の公聴会開催を検討すると言えば済むのに、課長は全くその意思を示しません。

 途中から女性の課長も加わってきました。


 課長はYさんに、会の進行を妨げているから席に戻るようにと。

 Yさんは、公述人の意見聴取を妨害しているのは課長だと。

 公聴会再開催は法の趣旨だと訴えます。


 都側は警備員を呼んでYさんの前に立たせ、会場は騒然となります。

 でも課長は都に間違いがあると内心分かっているため、さすがに物理的に手を出すことはできません。


 傍聴人のさわい新宿区議が、皆が納得できる公聴会を開いてと訴えると、拍手が巻き起こります。

 手拍子が延々と続くこともありました。


 公述人はまだ5人残っています。

 その中には見直し派の中心人物の一人、東京大学名誉教授・石川幹子先生もいらっしゃいます。


 Yさんの訴えが始まってすでに90分くらい経ち、課長は次の公述人に発言を求めました。

 石川先生たちは、吉永さんの話は大切だから終わるまで「待ちます」と言われました。

 場内に一斉の拍手。

 Yさんは、世界的権威の石川先生がそうおっしゃっているのだから、席には戻れないと訴えます。


(続く)

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